サンタのブログは渋滞中

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PROGRAM 15th 舞洲感想

まえがき

 2019年元旦0時にこのライブの開催が発表された。TLでは大騒ぎだった。僕はこのライブがきっかけで公式ファンクラブUNICITYに入ることを決意した。初日にして、2019年最大のイベントが決まってしまったのである。

 

 開催日7/27は土曜日だった。この週ほど大阪の天気を気にした一週間はない。一日一日見る予報によって天気は変化ししまいにゃ台風だ。不安でいっぱいだったが、一人の男のツイートで不安は全て払拭された。僕らのロックバンドは万全の態勢でやる気に満ち溢れていた。たとえどんな天気でも、会場へ向かう覚悟を決めた。


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ライブ本番

 ここからはセトリ通りに曲とその曲の特に好きなフレーズをおなじみの帯のようにタイトルとして感想を述べる。

 

0.絵の具(byイズミカワソラ)

ライブではおなじみの絵の具だが今回はいつもよりも長かった。どこかを見つめる三人のアップに笑いが起きたのは、いつものライブを知っている人が多かったからかもしれない。お世話になったこの曲を三人ともかみしめていた。

1.お人好しカメレオン(僕は僕のために 君は君のために)

 「ファンに媚びたセトリ」というのはこのことか、と思った人も多いのではないだろうか。収録されているアルバムのツアーでも披露されなかったこの曲は、ライブでやるのは今回が初めてだ。一曲目からバラードというのも驚きだった。めったに聞けない名曲を聴くためファンは静寂に満ちていた。

2.シャンデリアワルツ(世界が始まる音がする。)

 おなじみの「ようこそー」という掛け声で始まったのは、一曲目とは打って変わって、アップテンポの超定番曲だった。イントロを聞くと皆アトラクションのMVの少年のように前へ前へと押し寄せた。それでもあっという間に落ち着いて圧迫感のない状態で大好きな曲を楽しむことができた。いつもはトリを務めることも多いこの曲が二曲目に来たことで、今日はお祭りなんだなと感じた。

3.君の瞳に恋してない(甘い一瞬に騙されて?)

 三曲目は最新アルバムの目玉曲であり、ユニゾンらしいひねくれた恋愛ソングだ。各地のフェスでもヘビーローテーションで歌われているこの曲は、もはや邦ロック好きならほとんどの人が知る人気曲となっている。当然のように大盛り上がりの会場で、泣くことはなくいつも通り楽しんで帰れるものだとこの時の僕は思っていた。

4.流星のスコール(最後のチャンスに奇跡よ、起これ。)

 四曲目は最近あまり聞くことのできない6thシングルだった。実はこの曲MVがめちゃくちゃかっこ良く、(特にラスサビ)前日に三回ほどMVを見直していた。いつも聞いている2014年のツアーのlive音源にも収録されているこの曲は、美しいコーラスが特に好きなのだが、この日はあまり聴くことができなくて少し残念だった。それでも5年間での演奏技術の進化はひしひしと感じることができた。

 

ここで斎藤が「今日は長いよ~!!」と一言。前回の記念ライブと同じセリフに会場はこの日一回目の最高潮を迎えた。このあたりで僕の飲み物は尽きた笑

 

5.instant EGOIST(溢れ出すリズムは君のもの)

 ユニゾンの曲には珍しく掛け声や手拍子で楽しむことのできる曲でライブは再開された。周りにいた人々も体に染みついた、溢れ出すリズムに身を任せ、全身を使ってノリにノッていた。特に盛り上がったのは田淵が奇声を上げて笑う2325のキメのあとだ。去年のジャイガでも披露していたこの曲は、夏の海辺の野外フェスにピッタリで、二年連続で楽しむことのできた僕は幸せ者だ。

6.リニアブルーを聞きながら(今日を行け、何度でも、メロディ)

 10%rollが発売される以前、僕が知っていたユニゾンの曲はシュガーソング、桜のあと、オリオンをなぞる、そしてこのリニアブルーの四曲だけだった。それぐらい昔から知っている大好きな曲だ。貴雄は今日もイントロから最高のドラムを鳴らしてくれた。三人が全力で殴り合うようなこの曲は、今日もファン一人ひとりに向けて彼らが演奏していることを証明していた。

7.Invisible Sensation(相応だ!派手なやつをくれ)

 七曲目は最新アルバムに収録されている12thシングル、僕としてはタイアップアニメのヒロインの曲であり、ファンから見たユニゾンを表した曲だ。高らかに歌いだす斎藤は、目の前の希望を頼ったから今もステージに立っているし、振り返るのが性分じゃない田淵はこのあと黒歴史を掘り返されることになる。

8.8月、昼中の流れ星と飛行機雲(形に残って欲しい大事な言葉。)

 8曲目は季節的にもピッタリな8月の曲だった。このバンドはアップテンポな曲が売りなはずなのにバラードがいやに沁みるから隙がない。はかない斎藤の声を見失わないように皆耳を澄ましていた。こういう曲でカメラに抜かれる田淵は別人のような清々しい顔をしている。歌い終わると大きな拍手が巻き起こった。ライブの約三分の一が一瞬にして終わり、軽い休憩からセッションが始まる。そして流れるように次の曲へ。

 

9.オトノバ中間試験(物好きしか見えないし噛まれない)

 ユニゾンの代名詞アップテンポの代表曲が九曲目。ドラムが暴れ、ベースが踊り、ボーカルがギターを弾きながら早口言葉を繰り出す様はやはり彼らの真骨頂だ。また、名フレーズ「斎藤に任せといて」ではぬっと後ろから出てくる田淵をはじめ、会場の皆から指を指される斎藤宏介。制限タイムはあと少しの時の田淵を目に収めることができなかったのが少し心残り。

10.カウンターアイデンティティ(僕らは声が枯れるまで歌い続ける)

 開始からずっと曇りだった空に徐々に西日が差してきたころ、この時間帯が暑さのピークだった。ステージ上の三人、特に田淵はもう汗だくで明らかにシャツが変色していた。その中で彼らは「僕らは声が枯れるまで存在し続けるんだよ太陽に背を向けながら」という熱い歌詞を歌い上げた。

11.Catch up, latency(太陽よ僕たちを導き出せ)

 打って変わって、夜明けのようなイメージのイントロから始まる爽やかな11曲目だ。強弱のはっきりとしたドラムと二番の終わりからの長い間奏が僕の大好きなポイントで、この曲の見せ場だろう。そして、もう一つの見せ場であろう斎藤の低音で「ヘクトパスカル忠実に低きに流れけり」と気圧が絡んだ歌詞がくる。そして、「決定権はこっちにあるから太陽よ僕たちを導き出せ」と続く。この曲のおかげでユニゾンは晴れバンドへと変化するのかもしれない。

12.プログラムcontinued(15th style) (依然continued)

 ラストの曲ではなく途中にこの曲を持ってくるあたりが天邪鬼なユニゾンらしい。ファンは心の中で(やりやがったな)と笑ったことだろう。最初は歌詞がどっちなのかわからなかったが、聞いていないふりではなく、ちょっとは聞こえているようだったので、今の彼らだと確信した。「今日くらいは祝ってくれないかな」なんて当然のことを歌い上げるので、曲の終わりには皆「おめでとう!!」と叫んでいた。

13.黄昏インザスパイ(負けない どうせ君のことだから)

 みんなお祝いモードで和んだ空気のまま少しの休憩をはさんで、やさしいイントロの13曲目が始まる。西日が夕日に変わっていく時間帯に合わせてのこの選曲は、この舞洲の野外だからこその演出だ。「聞いてほしい声がある 届いてほしい人もいる 多い少ないは関係ない」という歌詞の思いがインディーズから変わらぬ信念としてあるから、この曲順なのかなと考えると感慨深いものがある。

14.春が来てぼくら(新しいと同じ数これまでの大切が続くように)

 貴雄がヘッドフォンをし、どの曲をやるのかなと数秒考えたが、14曲目はこの曲だった。「ざまみろ、これは僕らの歌だ。」というキャッチコピーはあまりこの曲に合ってる気がしていなかったのだが、今思い返すと驚くほどに天邪鬼な彼らの歌詞のことを言っているのだと気付いた。その「ざまみろ」の前の「今じゃなきゃわからない答えがある」というのは、後に斎藤が言う「答え」のことだと今ならわかる。また春が来て彼らは新しいツアーを始めるのだろう。

 

 

 落ち着いた曲が数曲続いたところで、スッとMCに入る斎藤。「雨‥降ったね~。でもって、止んだね~。」この少し間の抜けたようなMCがとても好きだ。僕の行った初めてのライブではM-1の神沼恵美子の話をしていた。これぐらいのMCはツアーでもやったらいいのにと思う。そして、駆け出しのころのスタンスの話へ。今は煽るのダサいとか言ってるけど昔は煽っていたし、田淵の煽り方はよくわからなかったという。貴雄はライブ中よくドラムセットに突っ込んで行って血だらけになっていたのだとか。ドラムセットを壊してしまった際には、「こんなんで壊れる方がおかしいんじゃないですか!」と、変なトガり方をしていたらしい。そして、そんなインディーズ時代の曲へ。

 

15.水と雨について(世界の常識がひっくり返るのを待っている。)

 正直予習不足だった。追試をしてほしいぐらいだった。インディーズからこんなに難しい曲をしていたのか、と感心した。ノることも難しかった。2008年の音源と聞き比べると、このころのような尖った声で歌う斎藤の姿はステージにはなく、伸びのある艶やかな声に変わっていた。


UNISON SQUARE GARDEN - 水と雨について(PV)

16.harmonized finale(今日が今日で続いていきますように。)

 美しいピアノのサウンドが流れた瞬間に大きくガッツポーズをしたことを覚えている。それぐらい嬉しかった。16曲目は僕がこれまでに生で聞いたことのない曲で特に聞きたかった3曲の内の一つだった。すでに日は暮れており、フィナーレに向かっていくことは明らかだった。早すぎる時間の中で、誰もがずっと続けばいいなと思っていたこともまた、明らかだった。「君を追いかけるよ その未来まで」という歌詞から続くように次の曲へ。

17.cody beats(その声がする方へ僕は歩き出す。)

 脳で考えるよりも先に曲が分かった。僕の一番好きな曲で、一番聞きたかった曲だったからだ。本日二回目の最高潮は連続で何度もやってきていたが、僕の中でそのピークはここだった。もう周りは見えなかった。田淵と目があった気がした。本当に一人一人のためにライブをしてくれているんだと感じた。

18.10% roll, 10% romance(4年後もどうせ君が好き。)

 この曲は僕がユニゾンのCDの中で初めて買った曲で、この曲がなかったら、そしてこのシングルのツアーにあたっていなかったらここまでのファンになっていなかっただろう。僕は感動とアドレナリンで疲労はもう全く感じていなかったが、ステージ上の3人も全く疲労を感じさせなかった。この真骨頂of真骨頂といった感じの曲で、依然110%の力を見せつけていた。彼らのリードに、全力のフォローを返すその空間が本当に心地よかった。

 

恒例の掛け声「オンドラムス、タカオスズキ」の声で天才のドラムソロが始まる。今回のドラムソロは前のツアーでの三人協力目隠しプレイといった娯楽的なものではなく、ただただシンプルに貴雄の実力を見せつけるものだった。これまでずっとカメラを移す役割しかしてこなかったスクリーンが徐々に満ちていく月を描き出した。BSSSのパッケージのような月はクライマックスに近づくにつれその盛り上がりを反映するように満ちていった。演出からため息 shooting the MOONが来るのかと思ったが違った。笑

暗闇の中ドラムの音と歓声だけが響いていた。ユニゾンはベース、ドラム、ギター、ボーカルと個別で考えてみたときに一番やばいのはドラムかな、と思っていたのが確信に変わった瞬間だった。

 

19.天国と地獄(退屈に殺される前に、答えを示せ。)

 おなじみの「天国と地獄ゥ!」という斎藤の掛け声で一気に沸き立つ会場。掛け声までのイントロが長かったように思う(掛け声も長かったらしい)。華やかなライトを使うこの曲はすっかり日の暮れたこの時間にはおあつらえ向けだ。昼間に散々真似されたサビでのステップだが、これが本物だ、と言わんばかりに足を上げる田淵には思わず笑みがこぼれた。

20.fake town baby (甘いか苦いかは君が決めろ。)

 20曲目は炎の中で演奏するのが印象的なMVのこの曲だった。MVさながら、この日一番の熱気で会場はつつまれていた。その熱狂を作り出すのは彼らの愛する街の住民たちだ。彼らは「生きるセッションに当分飽きる気配がない」と身をもって示してくれている。周りには歌うやつもいれば、全力で腕を振るやつもいる。「生命を全部巻き込んで楽しむのがこの町のルール」であると、住民たちも全身で表現していた。勝算が万全だなんてことは誰の目にも明らかだった。

21.徹頭徹尾夜な夜なドライブ(斜に構え、強がって、泣けない。)

 三曲連続で激しいナンバーが続く。ステージ上の三人は休む間もなく畳み掛けてくる。一番休みたいのは彼らだろうに。とはいえこちらも体力はもう限界で、ワタシドコ、ココハダレといった状態だった。5,6,7,8のところで、みんな両手を使って数字を表現していた。(なんでここ5,6,7,8なんだろう?)

22.シュガーソングとビターステップ(世界中を驚かせ続けよう。)

 22曲目は、ユニゾン史上最大のヒットナンバーだ。僕もこのバンドを知ったきっかけはこの曲だった。実は、一曲またいで同アニメの主題歌が続いている。昂ったままの人や、泣いてる人のコントラストは甘いか苦いかを自分で決めているからこその結果であり、その中にあるのは感動という同じ感情だろう。あまり冗長な言葉を並べるのも稚拙に極まれりだ。惜しがったって等速で明日が来るのに、僕らが生きる理由は彼らとまた次のライブで会うためだろう。

 

ここでラストのMCだった。まずは、斎藤宏介

「ようやく、やっと終盤です。最初から夜からやりたかったね、涼しいし(笑)」

昨年同会場でジャイガでの彼らを見ていた僕は、暑さと眩しさにヤレヤレといった感じで出てきた斎藤を思い出した。「MCも最後なのでしゃべらせてください。今日はアンコールもありません。」今度はCDJでの彼らを思い出した。(ええ~という客に対し)「まだ歌わす!?けっこうきついよ22曲もやってるしね~」

UNISON SQUARE GARDENが好きな人たちを大事にしたい。僕はその方法を一つだけ知っている。これからも自分たちのためだけに音楽をやること。」

UNISON SQUARE GARDENの信念だった。このバンド好きでよかったと誇らしく思った。これが春が来て僕らの「答え」だし、シュガーソングとビターステップのあとにこのMCが来ることにも意味を感じる。

「どうも、バズった人です」と爆笑をかっさらうのは鈴木貴雄

「俺は人間的にはすごく欠陥があるんだけど、そんな俺を二人はずっと見捨てないでくれた。ありがとうって思ってます。ドラムって器やスピーカーみたいなもんでそれ単体ではどうにもならなくて」と、しんみりムードかと思いきや、「でも、今日のライブめちゃくちゃかっこいいわ、ドラムソロ見た?化け物でしょ。」と自画自尊。

「真面目で、才能ある人たちが正しい方に努力したら無敵なんだなって。ここまでやってきた自分とバンドが誇らしいです。普段はしょうもないラジオやったりしてるけど、これからも見てくれるお客さんの心に火をつけられるようドラムをたたいていきたいと思います。」仲間への思い、ユーモアのセンス、自分に対する自信どれをとっても最高だった。このライブがいつもと違うライブだったのは、主に普段しゃべらない二人のMCによるものが大きかった。

最後は田淵智也、鳴り止まない田淵コールに静止をかけると、

UNISON SQUARE GARDENっちゅーのはすげーバンドだなぁ。今日はよく来た。またやるぞー!!!」僕らにはこれが最小限で十二分だった。他に聞きたい言葉は何もなかった。

 

「じゃ、やりますか」と斎藤が言い、ライブは終演へ向け進み始める。

 

23.さわれない歌(だから今日も、どこかで歌う。)

 斎藤の歌いだしから、周りの人の演奏を邪魔しないようにした、心の悲鳴が聞こえたような気がした。この日に限っては本当にえげつないセトリを持ってきていた。ユニゾンの信念を表した曲として一番ふさわしいと納得したし、そうさせるだけの雰囲気があった。本当にこのバンドは予想を裏切ってくれる。

24.桜のあと(all quartets lead to the?) (僕が歌えば四重奏)

 出だしの「ワン」でここから三曲は何が来るか理解できた。満を持して、The UNISON SQUARE GARDENとも呼べるこの曲を持ってくるのだから、本当に底の見えないロックバンドだ。本当はこの曲のMVのようにいい顔で笑っているファンでいたかったのだが、僕は泣いていた。聞きたい曲の願いはかなえてくれたし、ここまでの後悔は希望に変え、心が純粋に求めるものを望みどおりに鳴らしてくれた。こんなはしゃぎ過ぎてた青春時代を、今も大人になっても忘れさせてはくれないらしい。僕は絶対に忘れないだろう。

25.オリオンをなぞる(ここで終わるはずがないのに。)

 貴雄が何かを叫んで(ラストと言っていたらしい)、爆発のようなドラムから流れるように曲がスタートした。何でもないような言葉では、いつも聞いてる歌詞では泣かないと思っていたのだが泣いたりする、と思い知らされた。十分適度どころか最高にドラマチックだったし、本当に軽くスーパースターだった。ロックバンドは圧倒的だった。三人がそれぞれ全力でぶつかっているのに、誰も押され負けていない、三人ともあいこの演奏をこの二曲、ぶちかましていた。誰もが、本当に時間が止まることを願っていた。最後に笑えるぐらいの青春を送れるわけもなかった。号泣だった。少しでも長くこの幸せな時間が続いてほしかった。

 

見たことのない景色はここで終わらなかった。

 

最後に「15周年、お疲れ様でした。ラスト!」と斎藤が言い放ち、ピリオドが打たれた。

 

26.センチメンタルピリオド(愛を謳うウソツキたち。)

 最後を締めくくるのは真っ白な1stシングルだ。メジャーデビュー一曲目からピリオドなんて言うのだから何ともこのバンドらしい。雨から始まって、未完成の虹へと続いていく歌詞はまるでこの日を表しているようだ。使い古した暫定状態という殻を脱ぎ捨ててここまで成長してきたのだなと思いながら、念願の曲を聴いていた。一曲一曲ごとに進化はするけれども、一貫して同様の信念を持って歌っている彼らの曲が僕は大好きなんだなと納得した。フィナーレを迎える前には田淵のハンドスプリングも披露して始まりの曲は、幕を閉じた。

 

その後暗転した会場では、大きな花火が上がった。最初は困惑していたファンだったが、10発を超えたあたりからカウントが始まった。15回目は特大の花火が上がり、スクリーンには大きく「Thank You 15th Anniversary」の文字が表示された。そしてその下にはSee You Next Live!と。どこまでいってもこのバンドはこのバンドだった。

PENGUIN RESEARCHをリサーチしてみた

MADでの出会い

ほとんどテレビを見ることがなくなった僕としては、YouTube、フェス、アニメぐらいでしか新しいバンドを見つける事がない。一番多いのはYouTubeで、好きなアニメのMADから好みの曲とそのバンドを発見する。必然的にアニメに合うテンポの早い曲が見つかりやすくなりそういう曲が好きな僕にはもってこいなのだが、他の曲があまり刺さらないことも多々ある。その中で一番の掘り出し物だったのがこのPENGUIN RESEARCHなのである。


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ボカロ育ちの司令塔

作詞作曲を務めるBa.堀江晶太はボカロではkemuという名で活躍している。ニコニコ動画に投稿した曲は再生回数ミリオン超えを連発している。前述した、MADで使われていた敗北の少年はボカロ曲でありながらもバンドでカバーした曲である。このように、ボカロで作った曲でもバンドで、尚且つパワーアップさせて成立させるのがPENGUIN RESEARCHの、そして、この堀江晶太の強みである。

 

ノビのある七色の声

PENGUIN RESEARCHの曲の中にはサビやサビ前で力を込める歌い方をする曲が多く見受けられる。それを完璧に歌いこなすのがVo.生田鷹司である。低音と高音、緩急と抑揚によって変化のある曲調に合わせ早口言葉のような歌詞を歌い上げるのだ。liveではめちゃくちゃファンを煽って盛り上げており、その時の動きがめちゃくちゃ中二っぽくて面白い(もちろんくそカッコいい)ので是非みてほしい。随所でポーズを決める所が声優アーティストっぽいと思っていたら声優としても活動しているらしくびっくりした。

 

新進気鋭の少年バンド

結成したのが2015年で今年は結成5周年となる。各メンバーそれぞれ紆余曲折あってこのバンドに至るため、個人の年齢の割には若いバンドである。キーボードがいること、また生田の声の幅も相まって、堀江の変幻自在のイメージを実現することができる。バンドリにいそうな髪型をしたGt.神田、お茶目なDr.新保の実力も高く、これからも新しい試みに挑戦していってほしい。8月にはアルバムをリリースし、進化を続ける彼らとの決闘をしに是非liveに参戦していただきたい。

メトロック2019大阪 初日フェスレポ

三度目のメトロック大阪

僕は2017年から三年連続でメトロック大阪のどちらか1日に参加している。初めて来たフェスであり思い入れもひとしおである。僕の回ったタイムテーブルの順で各アーティストのライブについて書いて行くので、その時間帯のテンションや疲労度などを想像してもらえれば幸いである。


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目覚ましのファンファーレ

オープニングはsumikaのliveでキュウソのセイヤさんが言っていたようにとても爽やかに始まりを告げた。リハを含めるとこの日の一曲目はふっかつのじゅもんであり、寝惚けた頭からメトロックという空間に一気に引き込むのだ。最後のフィクションにはもうsumikaのliveが終わってしまう悲しみと非現実の始まりの楽しみが混在していた。

 

平成の窮地からのアゲイン

バニラズが見たい気持ちは皆同じで見渡す限りの人がGREEN HILLへ移動していた。そのせいかリハもなかったようで、あっという間の6曲、30分だった。一方で、その厳選された6曲はバニラズ入門と言われるほどフェスに合ったバランスのとれたセトリだと感じる。代表曲平成ペインに始まりNo.999に終わる、文句の付け所のないセトリだった。セイヤと進太郎も楽しそうでよかった。

 

ギリ昭和からのイマ令和

そのままダッシュでBAY FIELDへ。らーゆ君からの宿題で予習をし、楽しみにしていたキュウソのlive、セイヤさんのMCである。知らない曲も比較的多かったが、キャッチーでコミカルな曲ばかりで楽しめた。前日のliveによりいつものトップバッターを断ったらBAYの二番目にされた話が最高だった。いつかは夕方に出たいらしいのでがんばってほしい!(一度目のメトロックでもキュウソがトップバッターであり、寝坊で全く見てなかった笑)

 

ここまでの三組は待ち時間がほとんどなかったこともあり、本当に一瞬なように感じた。

昼飯として食べたステーキ丼はまさしくフェス飯という感じでとても旨かった。

 

日本一平和なロックバンド

腹ごしらえも済みGREEN HILLへ行くと打首獄門同好会がリハをしていた。メトロックに3時のおやつを届けに来たと言う彼らは、おどるポンポコリンを演奏しうまい棒を配り始めたのだった。昼飯を食ったばかりの僕らは全く食いたくなかったが、後ろから見ていた僕らの直前までうまい棒が行き渡り、一人一本と言う宣言されたルールをみんな守っているようだった。(二本もいらなかっただけかもしれない)本番が始まると曲ごとにモチーフとなる映像が流れるモニターとその雰囲気とは似つかないバチバチの演奏を楽しむことができた。キュウソといい打首といい歌詞のユニークさに隠れているが、演奏がくそカッコいいのだ。ただ、シャキッとコーンの歌のときにボソッと聞こえた、「いや、ノリにくいわ」と言う一言には激しく同意した。

 

青く熱い男達

しばし休憩し、GREEN HILLのピクニックエリアへ。こんなに遠くから観るのは三度目にして初めてだった。少しずつ盛り上がっていく地面により後ろからでもステージがよく見えることに感動した。しかし、そんなに遠くからでも熱量が伝わってくるのがお馴染みBLUE ENCOUNTだ。このGREEN HILLで二年前に泥々にされたのも今ではいい思い出となった。今年は後ろから見ていたことで俯瞰から見て、客と演者がぶつかって一体となっているのが印象的だった。万人を熱くするサムライブルーの魂がこもった演奏だった。前の打首と比較するとレスポンスの統一感が顕著に違って面白かった。やはり田邊のMCは熱く、心に響いていた。

 

スピード感と砂埃と圧倒的回転数

さて、台風の目04 Limited Sazabysである。今回観た中では、キュウソ、フォーリミ、四星球は初めてだったのだが、同行者からあんまり前に行きすぎるとやられるとの忠告を受けており、おそるおそる前の方に進んで行った。最終的にセキュリティメンが監視する高台の横で、障害物なく楽しめるわりといい位置にくることができた。liveが始まると、速いドラムにGENの高音がのった好きなテンポの曲が続き、キュウソとは違った形で知らない曲を楽しむことができた。のっけからサビの短い曲が多く、ラン&ガンを感じた。後から驚いたことに本番だけで13曲もの曲を演奏していたそうだ。驚いたのはそれだけでなく、裸足であったり足元が砂まみれになった人が前方から避難してきたり、連行されてきたりするのだ。それ自体は見覚えがあるのだが如何せん数が多くて吃驚した。(気付けば同行者は前方に消えていた)またMCが面白く監視の高台を見て、プリズンブレイクの話をしていた。ドラマの中では恒例で、真っ先にGENさんのような人がレイプされるのだそう笑。

 

記事の長さからも分かるように今年はここ三組が特に印象に残っており、フォーリミはlive後特にはまっている。トリへ向けての盛り上がり、昼過ぎから夕方の層の厚さがメトロックの好きな所だなと思った。各種対応や、運営も凄く頑張っており、求められるのは客の品位だと思われる。

 

最強のコミックバンド

「日本一泣けるコミックバンド」こと四星球はCDJでカウントダウンの所担っていたなということが何故か印象に残っており、少し気になっていたバンドだった。live前の僕のようなあまり四星球を知らない人に説明すると、金爆よりは岡崎体育のようなパフォーマンスをするバンドだった。僕達はメトロックお馴染みSHARPのSを勝ち取るためにウォールオブデスを仕切った。四星球を知らぬ間に終わっていくメトロックじゃなくてよかった‥かな笑?

 

僕とメトロックとBKW

冒頭にも述べたが、僕は三年連続でメトロック大阪のどちらか1日に参戦している。縁あって三年連続でオーラルの出る日に来ているのだ。そんなこともありワンマンには行ったことがなく、フェスのみで5回目となるTHE ORAL CIGARETTESなのだが、見る度にその印象が変わる。初めて見た2017年はとにかくクールな孤高のロックバンドという印象だった。二度目の2018年は明るく楽しい親しみやすいバンドという印象でReIの曲のイメージが強かった。それに対し今年は何をしでかすか分からない怖さを感じた。曲のイメージとしてはPSYCHOPATHで、やまたくは三年A組の菅田将暉のような印象を受けた。恒例の4本手打ちからの一曲目「嫌い」、ヤバめの宗教かと思いつつセトリが進んでいく。MCでは5年目のメトロックにして初のトリを務めることになった興奮と感謝をやまたくが語っていた。トリということもあり、これまでのオーラルのliveの中で一番激しくなかったように思う。そのため、演者が良く見えたし、やまたく以外の動きがよく見えるliveだった。バンドとして、一つ別の次元にいった風に感じた。

 

アンコールのラストはメトロックで初めて聞くMr.ファントムだった。Mr.ファントムという曲は初期の鉄板曲であったが、最近ではここぞという時にしか聞けないイメージがある。BKWの礎はこの曲であり、これからも彼らの切り札としてあり続けるのだろう。ただ、どのフェスのトリに選出されたとしてもそれを番狂わせだと思う人はほとんどいないはずだ。

 

あとがき

三年目ということもあり乗り換え間違えることも電車が遅れることもなくスムーズに帰れた。同行者のらーゆ君と食うラーメンも旨かったし一日とても楽しかった。また、似たバンドが好きな人とliveに行ってみたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

気まぐれな四人が彩る世界

バニラズが描く世界

go!go!vanillasが本日ニューアルバム「THE WORLD」をリリースした。このアルバムはSUMMER BREEZE、No.999等の強力シングル、先行で配信されていたHey My Bro.が収録されたファン待望のアルバムなのである。

 

バニラズの曲を何曲も聞いているとわかるのだがどの曲にもバニラズらしさを感じるのだ。この「らしさ」をバニラズほど感じるバンドは他に知らない。例えばテンポの速さだとか季節感だとか、もしくは歌詞によってらしさを感じるバンドは数多くある。しかし、バニラズにはそれらに縛られず、らしさを溢れさせた良曲が数多く存在する。

 

異国の田舎の匂いのする曲調

以前ロッキンライフさんのブログを見ているとバニラズについてこんな表現をされていた。「カントリー的な、民族音楽的な雰囲気を入れ込む」と。

 

このカントリーというのが僕のバニラズのイメージ全くそのものなのである。ただの田舎ではなくアメリカの農場であったり、ちょっとした町並みのような感じ、西海岸の雰囲気がするのだ。

 

この爽やかさがどんなあっさりした曲にも(基本的にこってりした曲はないのだが)隠し味として入っているのである。どんな曲にでもバニラズのエッセンスを感じる引き出しの多さがこのバンドの魅力であり、多彩な変化球を持つ牧達弥の凄さなのだ。

 

真価が問われる逆境

昨年ベースの長谷川プリティ敬祐が交通事故に遭い現在も活動休止中である。そのためサポートベーシストを交えてのライブも度々あった。

 

最新アルバムではプリティのベース込みの音源が収録されているが、春からのツアーでは、ベース抜きの三人でライブを行っている。その理由は、いち早くプリティが復帰するようにという鼓舞でもあると思う。ツアーの後半でプリティの姿が見られることを願うばかりだ。プリティに届くようメトロックでのgo!go!vanillasを名一杯楽しもうと思う。

 

 

 

 

 

幻想的なバンドsumikaについて

sumikaとの出会い

sumikaというバンドを僕が知ったのは昨年のFM802のキャンペーンソング『栞』がきっかけだった。某バンドの斎藤が目当てで栞を知り、そこにsumikaのVo.片岡健太が参加していた。片岡と斎藤は互いに対となるパートを担当しており、それぞれ1番と2番のサビ前とサビを担当している。栞を歌っている6人の中で片岡が最も感情を込めるのが上手いと思っており、毎度泣きそうになるのだ。

 

幸せを届けるMC

友達が好きなバンドだったということもあり、その友達と昨年のメトロックで初めてsumikaのliveを見た。sumikaはGREEN HILLという二番目に大きなステージのトリだった。演奏ももちろん良かったのだが、その時のMCで僕はsumikaのファンになった。「人生を変えるのは一瞬の感動」という言葉は今も僕の心に残っている。片岡という男はあの顔で愛してるなんて平気でいいやがるのだ。女性だけでなく野郎でさえも虜にするMCをするのである。メインステージのサカナクションを残してsumikaにはアンコールが巻き起こった。(フェスの都合上アンコールはしなかった)

 

幻想的な楽曲

sumikaの楽曲にはそのMVで作られた情景を体感させられるような魔力がある。ある時は恋人と過ごす夏の夜、ある時は一面の雪景色、またある時は幸せな結婚式、小説の中の虚構の物語に吸い込まれるように、曲によって世界が変わる。そんなフィクションの世界に連れていってくれる彼らのliveに一度足を運んでほしい。

UNISON SQUARE GARDEN15周年&令和記念レポ

15周年を迎えるUNISON SQUARE GARDEN

UNISON SQUARE GARDENというバンドがある。
間違いなく僕の一番好きなバンドだと言える。

僕はフェスだとか他のバンドのワンマンライブにも行くことはあるのだがダントツでユニゾンが好きだ。何故こんなにもハマってしまったのかを自分なりに分析してみようと思う。

自由に楽しむロックバンド

彼らを一躍有名にした曲はシュガーソングとビターステップであり、Mステでのその演奏が話題を呼んだことは大半の人の同意を得るだろう。

演奏中の田淵が怖いという声もあると思うが、これは彼が最大限に音楽を楽しんでいる表現なのである。

ライブでもコール&レスポンスや客への煽り等は一切なく(それどころか最近はMCすらほとんどなく)、客が自由に楽しんで帰ることを自分たちのロックバンドのあるべき姿としている。そんな小細工はしなくとも自分たちの演奏で客を楽しませられるという彼らの自信が僕はとても好きだ。

ベースの凄さを最も理解しているファン

楽曲の作詞・作曲をし、バンドのハンドルを握っているのはベースの田淵智也である。彼の信念に基づいてこのバンドの理念が形作られている。

ベースはギターと比較すると地味であり運ぶのも大きくて重くて大変だという愚痴をよく聞く。しかし、ライブ中の田淵を見ていると地味だなんて感じないし、重さを感じないほど軽やかにステップを踏んでいる。メンバーの中でライブ中に名前を呼ぶ声が一番多いのがこの田淵である。ベースとはその名の通りメロディーラインの基盤を造っており、ユニゾンのファンは他のファンに比べベースに重点を置いてバンドを見ていると思う。

日本一のギターボーカル

ブルエンの田邊にこう称されたのがバンドの顔である斎藤宏介というイケメンだ。ライブではMCをしており基本的にはこの人しか喋らない。

この人の高音域での歌唱力がこのバンドのウリであり「僕が歌えば四重奏」と自分で言っているだけあってもはや楽器のような声帯をしている。しかし、彼は一度ポリープの手術をしており、以前と以後では歌い方に大きく違いがある。挫折を経験して、尚且つあの歌唱力と圧巻のギターテクであり、ただのイケメンでないことが分かって頂けたたろうか。

TKOのリズムでTKO

ドラム、そしてグッズのデザインに携わっているのが鈴木貴雄という男である。楽屋での隙間時間にスプラトゥーンに励むこの男がユニゾンのリズムを奏でている。

ライブで一番大事なのがこの人のリズムであり僕が好きなユニゾンの楽曲というのはドラムの音が全面に押し出されたテンポの速い楽曲ばかりなのだ。ワンマンではほぼ必ずドラムソロがあり、そのときばかりは前の二人は脇役なのである。ライブ中水分補給の時間に二人を待たせて悠々と黄色く光る水を飲んでいるのがとてもかっこよかったことが記憶に残っている。イントロでスティックを叩く曲がきたらとてもテンションが上がる。

一番お買得で金のかかるバンド

このバンドの一番の特徴といっていいかもしれないのが、よくライブCDを出すというところだ。このライブCDには12曲ほど、つまりアルバム一枚分ほどの曲が入っているのだが、それを通常から600円程多く払うだけで買えたりするのである。僕は11-15枚目までのシングル、MMMのアルバムとBlu-rayしか買っていないのだがそれでも4つのライブCDを持っておりその中には計68曲のライブ音元が収録されている。また、グッズもオシャレなものが多くつい買ってしまうのである。

今年は15周年でCD、グッズ共に数多く販売される。お祝いだ祭だと浮かれている場合ではなく相当な出費を覚悟せねばならないのだ。さもなくば祭囃子のそのあとで泣き出してしまうことになるのだろう。